謹んで新年のご挨拶を申し上げます

どのような世界にも共通することですが、
宗教や思想、研究や技術、人類が積み重ね、
築き上げてきたあらゆる文化は、
人から人へと伝えられてきました。

仏教は、日常の中で襲ってくる、
怒り　悩み　焦り　恥　悲しみ　絶望などの
「心の苦しみ」を無くし、
いかに心安らかに生きていけるかを目的に、
仏陀によって開かれた宗教です。
その教えが、２５００年前から
代々脈々と伝わっています。

近年、人類は自然さえも制御できるかの勢いで、
効率と便利さを追求してきました。
しかし、新型コロナウイルス感染症、
ウクライナとロシアの戦争、
ハマスとイスラエルの戦争によって、
人間社会の脆弱さを露呈することとなりました。

思い通りにいかない現実との直面こそ、
「心の苦しみ」の始まりであり、世の倣いです。
油断があってはなりません。

皆様の今年一年の「心の安寧」と仏法興隆、
世界の平和を祈念し、
新年のご挨拶とさせていただきます。

令和６年元旦
正泉寺 住職　素堂 良峻