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お釈迦様の誕生日 ~花まつり~


4月8日にお釈迦様の誕生日に因み花まつりを行いました。


14時打ち出し法要を行い、30名近く方々にご参列いただきました。

なお、今年はコロナウイルス感染症対策の為、甘茶はお配りのみとさせて頂きました。

 

 

~法話~

本日のお話は「自己肯定感」の高め方です。「自己肯定感」この言葉を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

最近テレビや雑誌などで取り上げられるようになった言葉。この言葉は読んで字のごとく「自分自身の事を肯定できているか」ということです。自分は今、しっかりと自分の人生を生きている。周りの人が何と言おうと、自分は価値のある人間だ。と口に出せる人は自己肯定感の高い人です。一方、「自分に自信がない」「周りの人からどう思われているかどうしても気になる」という人は自己肯定感の低い人ということになります。

 

仏教では、この自己肯定感を非常に重要な事ととらえています。仏教には様々な仏像があります。その中には自己肯定感を表す仏像があります。それが、いま正面にいますお釈迦様の生まれた姿、誕生仏です。右手で天を指し、左手で地を指し、天上天下唯我独尊。この世の中のどの場所どの時代においても自分自身が一番尊い。まさに自己肯定感の塊のようなお姿です。

この形がお釈迦様の生まれた姿として伝わっているのはなぜか、それは仏教ではまず自己肯定感を高めることから始まるからです。

 

ではどのように高めていくのか。

それは、尊敬している人物の写真や肖像画を貼ることです。

皆さんの頭の中にはどんな尊敬している人がいますか。今日家に帰られたら思い浮かべてみてください。前向きで明るくてチャレンジしていく人、賢くて仕事ができる人、偉業を成し遂げた方、歴史上の偉人、漫画のキャラクター誰でも大丈夫です。

そして、仕事でつらいとき、恋愛がうまくいかない時、子育てがうまくいかない時、生きづらさを感じた時、このような自己肯定感が下がりそうなときに尊敬している人物の顔を思い浮かべ、もし私がその人だったらどのように考えるか、もし私がその人だったらどのような行動をとるか、もしその人が私をみたらどのような助言をするかを思い浮かべてみてください。

 

そうすることで、今自分の目の前に起きていることを客観視することが出来ます。人は問題に直面したり、自信をなくし自己肯定感が低いときは「どうせ自分はだめだ」「自分のせいだ」とネガティブになり「できない理由」を探してしまいます。そこで尊敬している人物を自分自身に照らし合わせることで視野が広がり、「目の前で起こっている問題が実はたいしたことがない」という事に気付けたり、問題を歪めて捉えてしまっている事にも気づけます。

そして尊敬している人を自分自身に照らし合わせ、実行したことは否定できなくなります。もし、そこでその行い考えを否定してしまったら、尊敬している人を否定するという失礼な行為になってしまうからです。

 

これは我々僧侶も常に実践しています。本日の花まつりの法要の際もご本尊様に礼拝いたしましたが、私にとっての尊敬している人物とはお釈迦様です。壁にぶつかった時、選択肢を迫られたとき、悩み苦しんだ時、お釈迦様だったらどうするかな、と考えます。

 

ソフトバンクの創業者である孫正義さん。孫さんの社長室には坂本龍馬の写真が飾ってあります。今でこそ成功者のように語られる孫さんにも数々の苦難・逆境がありました。ソフトバンク創業2年目の際、健康診断で肝硬変であることがわかり余命5年を宣告されます。最初は絶望したそうです。しかし、余命宣告を受けながらも会議に参加する為病院を抜け出し体調が悪いときも取引先へ足を運び続けました。周りから「なんのために命を縮めてまで会社へ行くのか、お金の為か名誉の為か」と問われたそうです。孫さんは坂本龍馬だったらたとえ余命宣告をされても自分にしか出来ない事を一生懸命やるだろう。と答えたそうです。7000億円の赤字を計上したり、部下に裏切られたりと、それ以降も数々の失敗苦難を経験し、非難を浴び、気持ちが落ち込んだ時は坂本龍馬の写真を見て、坂本龍馬だったら、と考えるそうです。

また、社長室の写真だけでは坂本龍馬が目に入る機会が少ないという理由もありソフトバンクのロゴマークを海援隊の旗のマークと同じにし、常にこんな時坂本龍馬だったらと考えるようにしているそうです。

 

もし、皆さんが自己肯定感が最近低いな~、自己肯定感を高めたいな~と感じたら是非、尊敬している人物の写真・肖像画を見えるところに貼ってみてください。そして、自己肯定感が低くて行動できない、自信が持てない、落ち込んでしまった、そんな時はその人物ならどうするか、という事を思い浮かべ行動してみてください。

マザーテレサ、織田信長、松下幸之助、エジソン、スティーブ・ジョブズ、坂本龍馬、キリスト、仏陀、職場の上司、親友、両親。うれしいことに世の中には素晴らしい方々であふれています。

人間だれしも強い部分と弱い部分があります。私自身も皆さんと同じです浮き沈みあります。

本日はこの自己肯定感の高め方をお土産にお持ち帰りいただき法話としたいと思います。
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