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正泉寺の植物 その⑥「石榴(ざくろ)」


落葉小高木で、高さは5メートルになり枝の先はとげ状になる。葉は対生で楕円形から長楕円形でなめらかで光沢がある。
花期は初夏、赤朱色の花をつける。果期は秋で果実は花托の発達したもので、球状を呈する。大きさは直径8cm 、重さは250g ほどある。果皮は厚く、秋に熟すと赤く硬い外皮が不規則に裂け、赤く透明な多汁性の果肉(仮種皮)の粒が多数現れる。果肉1粒ずつの中心に種子が存在する。果実を開いた際に多くの果肉の粒が見られるため、子宝に恵まれる縁起のよい樹木とされている。また、果肉を赤ん坊に見立てて子供の人肉を食う鬼子母神のお供え物とされている。

目次

石榴の効能

スーパーフードと呼ばれ、ビタミンB1・ビタミンB2・ナイアシン・葉酸・カリウム・クエン酸が含まれ抗酸化作用のあるポリフェノールも含んでいる。このポリフェノールによって以下の効能が証明または仮説されている。

①血中の硝酸塩の濃度を高め、プラークなど予防と高血圧の予防によって血流の改善の効能がある。
②男性ホルモンであるテストステロンのレベルを引き上げる効能があるという研究データがある。
③一酸化窒素レベルを高め、運動能力を向上させる働きがある。
④ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを低下させる効能がある。
⑤血流促進効果により高齢者の記憶力向上が見られたというデータがある。
⑥ザクロ酢でアレルギーや炎症を引き起こすヒスタミンの放出抑制が報告されている。この実験ではブドウ酢・ハスカップ酢・ブルーベリー酢・ザクロ酢での実験でザクロ酢が一番高い効果を発揮した。

まだまだ、研究が盛んにおこなわれている石榴の効能!!まさにスーパーフード!!

仏教と石榴の由来

鬼子母神は沢山の子供がいる鬼神。名の通り、「鬼」として人間の子を捕えて食べていた。
そのため多くの人間から恐れられ避けれていた。
夜な夜な村に出ては子供を連れ去り食べてしまう鬼子母神。
困った村人はお釈迦様にどうにかならないかと救いを求めた。
お釈迦様は托鉢修行の時に、鬼子母の出払った家を訪ね、もっとも可愛がっていた末子を鉢に隠して連れて行った。
托鉢から帰ってきた鬼子母神は7日間必至に探し求めたが見つからず、
ついに居てもたってもいられず、お釈迦様のもとに来て子供の行方を尋ねた。
するとお釈迦様は「おまえには沢山の子供がいるのに、ただ一人を失ってもこんなにも悲しみ、苦しいだろう。
ところが世間の人々は1人の子、あるいは2、3人であるのに、事故や事件によって子供を亡くしているのだ。
しかもおまえは その大切な子供への悪行をしたではないか。」
と厳しく誡めた。
鬼子母神はこの時、やっと自らの悪事の罪をさとり、我が子が戻れば二度と人の子を殺さないと悔いたのである。
お釈迦様の言う事を理解し、真の懺悔(さんげ)ができた鬼子母神は
「わかりました。これからは人の子供をさらいません」と誓い、「また、私は人々の子供も自分の子供のように守護します」言った。
改心すると鉢の中から末の子供が現れた。
しかし、鬼である鬼子母神は人肉を食べなくては飢えてします。そこでお釈迦様は鬼子母神に対してこのように提案した。
「これからは人肉の味がするという石榴の実を食べなさい。そして、それでも足りないであろうから、これからは私と私の弟子たちが托鉢で頂いた食事から一つまみずつ鬼子母神へとお供えをしよう。」

この縁起から石榴は鬼子母神のお供え物となり、人肉の味がするという言い伝えが定着しました(人肉食べたこと無いですが、実際に人肉の味ではないです)。
また、現代でも修行僧が食事をする際、それぞれが生飯(さば)という米粒七粒を供えてから食事をするという作法がある。

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