正泉寺の植物 その③『仏手柑(ぶっしゅかん)』

先端が指先のように分かれている「仏手柑(ぶっしゅかん)」。「手仏手柑(てぶしゅかん)」とも呼ばれ、鮮やかな黄色い皮はゴツゴツとしているユニークな果物です。
仏手柑は主に観賞用として栽培されることが多く、お正月飾りやお茶席の生け花などにも使われています。
名前のとおり、仏の合掌の形に似ている為に仏手柑と呼ばれている。縁起物として飾られるが、結構見た目は気持ち悪い(住職感想)。
常緑であり、樹高も低木の範疇に収まる。古くから東南アジアの広い地域で栽培、利用されているが、ルーツは熱帯から亜熱帯にあり耐寒性はあまりない。棘を持つ。葉に芳香成分を含むみ、蝶類の幼虫の食餌として好まれる傾向がある。
レモンの近縁と考えられており、インドではシロトンの変種であると言われている。レモンよりも大きい実がなる。
鋭い棘がいっぱいついてるので、枝や葉に触るときは注意!!
目次
歴史と仏教との由来
日本へは室町時代~江戸時代に伝わりました。当時いくつかの書物に登場していますが、江戸時代に書かれた「大和本草」(1709年)には「近年渡来したもの」「果物とは言い難い」「香りがよい」などの特徴が記されています。また「大和本草批正」(1780年)では、仏手柑の項目に「テブシュカン」との記述があり、マルブシュカンのことを「枸櫞(くえん:シトロン)」と記しています。
ビタミンCやカロテン、クエン酸が多く含まれていて、風邪の予防や肌を美しく保つのに役立つといわれるが、仏手柑は果肉がとても少なく果実の殆どは皮である。食用には向かないが皮を煮詰めてジャムにすることも出来る。あんまり美味しくない・・・
中国安徽省の鳳陽県には観音菩薩が当地の人たちを懲らしめるために化け自ら切り落とした美女の手と言われている。