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正泉寺の植物 その①『蓮』



正泉寺の本堂の正面左右に対の蓮が植えられています。
左右で違う品種の蓮です。共に大輪品種ですが、色合いが異なる花が同時期に咲きます。
開花期は7月中旬から8月中旬です。蓮の花は午前中に咲き、午後は閉じてしまいます。また翌日の朝に開き午後閉じるという咲き方を2~3日繰り返します。
もし、開いている蓮の花をご覧になりたい場合は午前中にお参りください。

目次

仏教と蓮の紹介

蓮の花はお経の中に多く登場します。「妙法蓮華経」というお経が有名です。それ以外にもいくつかのお経に記述がありますが、サンスクリット語の原文では蓮では無く優曇華という花やスパイスのような香りの花のようです。シルクロードからお経が伝わった際に蓮の花で漢訳されたようです。
その蓮とお経の由来と逸話をご紹介いたします。

泥に汚れない花である

蓮はご存知の通り、泥の中に蓮根がありそこから葉と華を出します。しかし、泥から出てくるのに葉も花も汚れておらず逆に水をはじき汚れる事がありません。
このことから、煩悩や苦悩にまみれた娑婆世界から仏道に足を踏み入れ心の汚れの無い人生を歩む出家者に例えられます。

1つの茎に1つの花を咲かせる

蓮は朝顔やサルビアと違い1つの茎に1つの花をつけます。
生まれながらに持つ仏性も唯一無二の宝物として備わっていることから功徳があると言われています。

花と実が同時に出来る

蓮は花を咲かせるとき、すでに中心に蓮の実が出来ています。
花が開くと同時に実が出来ることから、修行して悟りを開くと思われがちな仏教思想を否定しています。
修行、つまり日常生活の一つ一つを仏道に則り行う事が悟りの実践であり、悟りの証明であるという事を表しています。

多くの穴が開いた茎

穴が開くことで逆に強度が増します。この植物の構造を参考に電柱も中が空洞になっており横からの力で折れにくくなっています。
「これが常識だ」「これが正しい」という自分の価値観が絶対であるという軸は時として、対人関係で摩擦を生み、自己を苦しめていきます。
我々人間も、相手の意見、価値観を受け入れる空洞を持っているからこそ真っすぐに折れずに生きていけます。

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